SSブログ

慈姑と掛軸は新年を迎える準備のアイデア集 [陶芸]

突然ですが早々とここで問題です。

皆さん・・・さて、これは何でしょう?
完成品は直径が25センチ、高さが62センチあって結構大きなもの。
大きいからと言ってそれが何の意味も持たないのですが、ひらひらの布も
ただの飾りで何の意味もないのだ。

が、しか~し・・・
今回も私の新説・珍説を披露して欲しいとのほんの少しでも、いや、ごく微量でも
切なるご要望があれば、迷わず私はこう答えよう!

私の鋭い勘と眼力によれば、これは、もうじき訪れる新年に向かって
準備万端憂いなしのための大切な小道具ではないかと直感する。

あらまあまあ!・・・
今年の埃もまだまだぜんぜん落としてもいないというのに「なんとまあ気の早いこと!」
とお考えになるかもしれませんが、アイデアは早く出しておいたほうがやはり良いのです。
ぎりぎりになってから、あれはどうしようかこうしようか?などと言っているうちに
新年は明けてしまうのが毎年のことですからね!あなた。

荒行での精神修行が長い私の場合、歳末とか新年とかそんな俗世界のことにはもう超越していて
31日と1日の関係でしかないことを悟りきっているのだから、
我ながら凄いといえるのではないかとさえ思う。

言ってみればそれは、独身でまだいろいろ恋愛できる可能性の大きい人と、
きのう結婚してもう新しい恋愛ができない人との違いも結婚日という
たったの一日の差であることと同じであることは明白のこと。

だとしたら、歳末の31日と新年の1日とは雲泥の差なのだ。
あら~、また疑問が・・・雲泥とは雲と泥の差ということなのだろうか?
雲と泥がどう比較できるのか仙人的賢者の私でもよくわからないが
その話はいずれまた検証することとして、ようは準備万端憂いなしということなのだ。

その点、まだ暮れだ正月だと騒いでいる俗人には、はるかかなたに存在する私の
知的悟りへの気持ちはわかり得ないかもしれないな~と思いながらも
あの作品が何かを告白することとしよう。

何を隠そう、あれはお正月の食材には昔から欠かせない「慈姑・くわい」なのだ。
「くわい」は「さじおもだか科の多年草」だそうだが皆さんはご存知だろうか?

水田とか用水路のところに逆さの細長いハート型の葉をした植物。
最近でも時々見かけるが、もともとそんなに多くは栽培されなかったような気がするがどうだろう?
正月用として以外、ほとんど見かけないからだ。

しかし、私はその形と色合いがとても好きで気に入っている。
ただ丸くて新芽みたいな物があるだけの単純形だが、表面の色が凄い。
パールトーンというのか真珠のような鈍い気品のある色合いが素敵で、
平安時代の恋する高貴な人の吐息にも似て切ない。
そんな思いで時々絵のモデルにすることもあるが、その色を再現するのがとても困難だ。

そんな高貴で気高い色合いでも、育ちはいささかよろしくない。
私の知る限りでは蓮田とか排水路の泥臭いところ。
美しさとはやはり人と同じで、氏・素性ではないと自然が諭しているのかもしれない。

そんな泥まみれの中の美を陶芸にて再現しようと出来上がったのが下の写真。

しかし、陶芸ですべてを作ろうとすると無理があるので球茎の部分だけで
芽の部分は木で作り差込式にした。
布はただ形を整えるだけの演出だが、逆光に置いたときそのシルエットが美しい。

もうひとつ、新年のインテリア演出にご提案。
これも表具用の布を用いず、着物の布で作った掛け軸。

「何を感ずる」「いつ感ずる」
「いくら歳を加えてしまったから」といって 
「変に大きくなってしまった花だから」といって
それが何?
いつ、何を感ずるかは他人事ではなく自分自身のことですからね!

下で角を生やした童が足を広げて笑ってますよ!
今頃気がつきましたが、来年の話をすると鬼が笑うといいましたよね。
これは鬼なのかな?

作品の詳細は左サイドバーに記載のホームページでごらんいただけます。
お問い合わせはホームページ内のメールもご利用いただけます。


 


nice!(12)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 12

コメント 6

50数年、人間をやっていますが初めて見ましたよ、「くわい」。
名前は何となく聞いたことがあるくらいでした。
奥方に聞いたら「食べたこともあるよ」と、言っていました。
不思議な植物ですね~。
by (2007-12-06 12:17) 

田吾作

60数年、人間をやってますが「くわい」は新年に欠かせないものでした。
おせち料理に必ず入っていて、
ほっこりと少し苦味を感じるような独特の味がして、
その味はまさに「くわい・・?」でしたね。
by 田吾作 (2007-12-06 16:23) 

ななこ

田舎の休耕田で慈姑が取れます。
掘るのがなかなか難しいようです。
こんな立派なものは勿論取れません^^
by ななこ (2007-12-06 22:45) 

田吾作

くわいは芽がまっすぐ伸びて、めでたく伸びるということでしょうか?
芽を傷つけないで取るのは難しいかもしれませんね。
うひひひ・・・ちょっと立派過ぎたかも?
自分でも何でこんなに立派な慈姑を作ってしまったのか
理解に苦しみます。
ひょっとして、私の頭の中の田んぼが栄養過多だからかも?
by 田吾作 (2007-12-07 17:07) 

くわい好きです。おせちでは芽を切ってしまわないよう。。。気を遣います。
また、そんな季節になりました。
オモダカの花も小さくてかわいくて、好きです。
by (2007-12-08 21:01) 

田吾作

オモダカの葉はよく見ますが花は見た事がありません。
いや、興味がなくて見ても通り過ぎてしまったのかも?
by 田吾作 (2007-12-10 17:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。