気取らず焦らず気品を楽しむ絵・身近な素材で描く水彩画

　

何事も楽しんで出来ないような事は長続きしないとよく言われる。
絵を描く事も同じで、その行為が楽しくなければ描こうと言う気さえ起こらない。

絵を描く事は簡単そうに見えるが、結構奥が深くて難しい。

子供の頃によく描いた記憶はあっても、その時何が楽しかったのかなぜか思い出せない。
子供はどういう状況であれ、とにかく楽しそうに絵を描いているように見える。
が、実際の所はどうなのだろうか？

本当に楽しくて仕方がないから描いているのだろうか、
それとも、ただ目の前のことに夢中になっているだけなのだろうか？ 

何事も楽しんでできればそれに越した事はないのだが、
実の所、楽しいと感じるようになるまでには相当の時間が必要なのではないだろうか？

大人の場合、子供と違って楽しいと感じる瞬間には何かの不純な動機があって、
ただ単純に材料がそこにあるから描いただけ・・では通用しない。

たとえば材料がそこにあって準備万端でも、
何を描こうか？と考えただけですでに迷い悩んで描けなくなってしまうのが大人。
ましてや他人より上手に描きたい！とか他人に誉められたいとか思ったらもう駄目。

大人と子供の違いはおそらくそんなところにあるのではないのだろうか？
何も考えず夢中になってただ描く・・その後もすぐに忘れて何もない。
そんな子供的態度で絵に臨めば誰もが難なく描けるかもしれないのに、
大人の余分な概念こそが諸悪の根源であるように思われる。

ただし、子供が絵を躊躇なく楽しんで描いたとしても、きっと本人には何の感慨もないであろう。
大人が絵を描いて楽しいと感じる時はやはり自分で納得ができた時。
納得と言っても、その時点での自分の最高レベルであって
決して完成された絵ができたのではないのだ。

絵から考察してみると、大人は子供に比べ考えすぎで見栄っ張りで自意識過剰。
純粋な気持ちだけで描くのではなく、競争意識が先にたってしまう結果
すぐ挫折がくるような気がするが考えすぎだろうか？

一番身近にある野菜や果物を素材に絵を描いてみる。

りんごやバナナなど果物を描いた絵はたくさんあるが、野菜をモチーフにした絵は殆ど見かけない。
あまりにも身近で価値観に乏しいのか、あまり好んでは描かれない野菜。
というか、長すぎたりグチャグチャだったりして形的にも色的にもまとめることが結構難しく
敬遠されがちな野菜。

でもでも、これはなかなか勉強になる素材。
「単純だからこそ難しく、まとめにくいから考えて、変化に乏しいからよく見る」

実の所、私も絵が好きなのか嫌いなのかよく分からない。
描き始めるとのめりこんでしまうこともあるが、なかなかそうなるまでに至らない。

それもこれもうまく描こうとするからなんだと自分に言い聞かせながらのお絵描き。

何でも奥が深い深い！
なまかわだと思うからこそ自分に鞭打って、
下手だからこそ途中でやめないで続ける。

気がつかないからこそよく見て、
変化がないからこそ細かい所に注意して描く。

とにかく挫折しないで長く続けよう。
あきらめないでやり続けよう。
やはり継続は神様ですよ、ね！

ある日ある時、ふと自分を振り返ってみた時、
自分が立っている位置が前より一段でも登っているように願いつつ・・・。

作品の詳細は左サイドバーに記載の「告井土暖の個人美術館」でご覧いただけます。
お問い合わせはホームページ内のメールがご利用いただけます。

 

コメント 5

おばんです。
「単純だからこそ難しく、まとめにくいから考えて、変化に乏しいからよく見る」
奥が深い。
今後もよろしくお願いします。

by 一真 (2008-05-31 23:59) 

ひとつのことを長く続けていると、楽しいことばかりではないですね。
特に好きなことを仕事・カテにすると難しいことに当たるんでしょうね。
いつまでもピュアでい続ける・・・これも、もっと難しい！
継続は神様？　それは初めて聞く言葉です。
噛みしめてみます。
by こぎん (2008-06-01 18:12) 

一真さん
少しブログ疲れの私ですが、一真さんの記事で
いろいろ勉強をさせていただいています。
こちらこそ今後もよろしくお願いいたします。

こぎんさん
いつもコメントをありがとうございます。
本当にそうですね！
好きこそ物のじょうずなれ・・とか言いますが
好きだけでは継続は難しいですし、
やはり一生勉強なのでしょうか？


by 田吾作 (2008-06-01 19:17) 

楽しんで出来るって、継続あればこそでしょうね。
継続を力に出来ない私は恥ずかしいです。
挫折ばっかり(^^ゞ
by むらさき (2008-06-03 20:42) 

野菜の絵　ステキに描けてますね～＾＾
こんな風に描いてみたいです。
色使いがとてもいいですね。
by 風子 (2008-06-04 12:42)