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キーワードは成功感より継続と達成感、そして疑問 [水彩画]

水彩画3.jpg

絵を描こうとする時、時折思い出す気になって仕方がない言葉がある。

それは絵手紙人口を飛躍的に拡大せしめた名文句で、
「へたでいい、へたがいい・・」と言う言葉。

この言葉は、絵を描く事にまったく自信のない人の心に大きく喰い込み普及したようだ。

 

 

今まで絵とは無縁で、参加さえできなかった人に安心感を持たせた功績の大きい言葉だが、
私にはなぜか気になってしかたがない言葉だ。

何が気になるかと言うと、「へたでいい・へたがいい」と言う言葉には門戸を広く開放する
大きさと優しく手招きをする耳障りのいい囁きに聞こえる反面、
物事の始めから人間が持つ向上心を無視してしまっているところ。

絵手紙も水彩画や油絵と同じように、絵を描き文章を考え表現することに違いはないのだから
芸であり大きく言えば芸術と言ってもおかしくはない。

芸は自分との戦いの中で生まれ出るものであり、自分そのものでなくてはならない。
それは他人との比較とか優劣の差ではなく、いかに自分らしく個性的であるかという事。

たとえ小さなハガキ絵でも創意工夫次第では芸術性の高い作品が生まれる事もあるはず。
下手でよいと気軽に始め、ヘタがいいとまるで向上心を待たないで絵を描いていれば、
大抵の人は楽をした分すぐに行き詰まり悩む事になるのではないだろうか?、
そこに向上心がなければいつまで経っても満足のいく絵は描けないといってもいいように思う。

ホトトギス習作05.10.jpg

満足感は自分の気持ちなので、人それぞれ違う。
ある程度うまく描けたらそれで満足するかもっと先を望むのかは別にしても、
長く続ける事で今まで見えなかったことや気づく事も多くなるし
疑問を感じる事ができるようになってくる。

私はこの疑問を感じる事が何事においても重要なことであるように思っている。
疑問を感じる事とは、自分にある程度の力がついた証であって、
やり始めて間がない時では無我夢中でそれを感じる余裕はないからだ。

水彩画4.jpg

疑問を感じ試行錯誤し、子供の頃の砂遊びのごとく作っては壊し作っては壊しすることで
知らず知らずの内に成長し視野が開ける。

時々意外な時にハッと気付くことがある。
長く続けているテニスでのこと、相手に負けないように力いっぱいボールを打とうとすると
思わず肩に力が入って大きな失敗をしてしまうことがよくある。

絵を描く時でもやはり同じことなのかもしれない。
余分な雑念が「りきみ」を与えて、失敗してしまうような気がする。
ほんの少しずつの工夫と疑問を感じながら長く継続的に無理せず素直に描く。
そんなあり方が自分の自分らしいところかもしれないと思いつつ・・・。

作品の詳細は左サイドバーに記載の「告井土暖の個人美術館」でご覧いただけます。
お問い合わせはホームページ内のメールがご利用いただけます。


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むらさき

私、ハガキにいっぱいの絵に大きな文字の
絵手紙、それほど好きになれません。
自分では描けないのですが、少しの空間が
好きです。土暖さんの絵にはそんな空間も
語りかけてくれているような気がするのですが
無知な私の思い込みでしょうか
by むらさき (2008-06-11 20:48) 

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