線のT・P・Oは平面に動きや強弱など自然な感情を表現してくれるもの [土暖流教室]
会社などの人事では適材適所という言葉がよく使われる。
その言葉の対象は人間に対してのものであることが多く、
すぐに思い浮かぶのは能力別の人の配置。
しかしながら、適材適所とは何事においても考慮されてしかるべきであり、
考慮して不都合はないと思えるが人材以外ではあまり考えない。
いや、考慮しないのではなく、考えなくてもおのずと決まってしまって
自然に収まることがほとんどだからかもしれない。
たとえばテレビを置く位置は光を正面にせず、部屋の隅か壁際で
目線も座敷の場合は座った高さに決まっていて、
部屋の中央の床に置くことは変人以外まずない。
ほとんど変人の私でも、テレビを目線より下の床には置かないし
後ろ向きに見るようには配置しない。
よく喫茶店や飲食店などでは壁際の高いところに置かれている。
これも飲食店からすれば適所的なのかもしれないが、料理が来る前に
客の首の骨が疲れてしまっていて「困まっちゃうな~♪」となる。
私の描く水彩画の線も適材適所をかなり重要視する。
といっても優劣の問題ではなく、光を意識しての物の見え方を
線に生かすための工夫としてなのだ。
絵の描き方もいろいろだが、私の描く水彩画は光と影を少し意識して
立体感を出す方法をとっているので線もその意識を持って引くように
心掛けることになる。
対象物を線描きするとき、光の当たっている方は「弱く・薄く・細く」、
影のほうは「強く・濃く・太く」線を引くよう心掛ける。
上の写真で言うならば漏斗のような形の絵の楕円の部分がそれで、
左上から細めに引き始めて光が当たっているイメージを出し、
下半分に差し掛かったところから太めに引いて
線自体に光と影を感じさせるようにしている。
このように一本の線にも適材適所があり、研究価値が大きい。
つづく
変人の描く絵とはどんなものか見てみたい・・知りたい・・と思われる方は
下の「あらまあバナー」か、上の線描き写真をクリックして
『告井土暖の個人美術館」にてごゆっくりご覧ください。
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