瞬間的流し目見物は、芸術的感覚を研ぎ澄ますひとつの方法。 [手描きはがき絵]
ふくろうが獲物を捕らえるときには羽を大きく広げ、
鋭いつめを前に思いっきり伸ばしながら小動物を捕まえる。
羽を大きく広げながらとは、広げていないとコントロール不能になり
獲物にぶつかってしまって、自分までドスン・フェチャリ・ムギュとなるからだ。
私がふくろうだった頃の痛い体験から学んだ理屈なのだ。
羽さえ広げていれば自由にコントロールができて、
実は流し目だって可能なのだ。
流し目ができるようになると他の動物に獲物を取られないか監視できるし、
獲物を追うことに必死で木の枝などにぶつかってしまうこともない。
何しろ暗闇のことなのだから、強い見方の流し目君なのだ。
ただし、流し目ばかりに頼っているとひどい目にあうことがある。
ある日獲物を狙って、木の枝から格好良く「さー」と飛び出したまではよいが、
この日ばかりは魔がさしたのか、
流し目の先に飛びっきりの美人が見えてしまったのだ。
瞬間、どっすん・ばたん・ぎゅ~・・・
それ以来、私は流し目をしなくなった。
特にとびっきりの女性には・・・
お陰様で、前だけを見つめて一途に生きる正直者の私となったのである。
お分かりかな諸君?
流し目の仕方とか方法は教えていないが、ふくろうや楽しい魚などを
たくさん展示する「告井土暖の個人美術館」はこちらからご入場ください。
むっくり・もっこりと 梅雨空に 茸も膨らみ 雨宿り。 [手描きはがき絵]
きのことは・・
木の周辺に「のこのこ」と生えてくる傘状のものの名称。
と、我輩編集の「土暖辞典」には書いてある。
しかしながら、木のうしろの「のこ」とは
いったいどのようなことを言うのだろうか?
私の描いた絵のような茸なら、普通「もっこり」とか「むっくり」とか
「ぽっこり」「むっちり」がにあうと思うのだが「のこ」なのである。
確かに、もっこりを例にとって言えば「きのもっこり」か「もっこりたけ」
となり、少しいやらしい雰囲気。
ましてや、「木のむっくりもっこり」とか「むっくりもっこりたけ」とか
「木のぽっこりむっちり」とか「ぽっこりむっちりたけ」だと変に想像してしまい、
市場に出しても主婦達からそっぽを向かれて
まったく売れなくなってしまうような気がする。
そのてん、「のこ」ならいやみは無いと先人は考えたに違いない?
考えてみれば「のこ」とは「のこのこ歩く・・」のごとく、
幼子の「ぷっくり・むっちり・ぷよぷよ的足」をさしているのではなかろうか?
ならば、意外とその雰囲気は似ている。
やはり「きのこ」は「ぷっくり・むっちり・ぷよぷよ」に描くのが正解なのだ。
茸はあまり出てこないが、むっくり・もっこり的芸術作品が見られる
暑苦しい夜は寝苦しい夜。今夜は息苦しくとも見苦しくとも負けないで寝てしまおう。 [手描きはがき絵]
くるしい・・・
暑苦しい
見苦しい
息苦しい
寝苦しい
でも私は負けないわよ!
友人が訪ねてくるし~・・
雨もやんで、もうじき晴れてくるし?
あれ~おや?急に降ってきたのか、くるくる・しいしい急回転の空模様
と、涼しい顔の彼女であった。
しかしながら、内心は穏やかではない。
情熱を心に秘めて暑苦しいのは当然の事。
無風状態のようでありながら、湿気満点のそよ風。
夏の前触れを感じ、肌もあらわな彼女の苦しい言い訳である。
自分ではよく分からないが、今話題の変人的文章や絵を数多く紹介する
玄関先の森の番人ふくろうが、星降る夢にご案内 [手描きはがき絵]
薄明かりのとあるお屋敷の玄関先。
なにやら二つの小さな光が見えた。
真っ直ぐこちらにどんぐり目の視線を注ぐふくろうが たたずむ。
「あなたに取って置きのお話があるの!」
と、何やら、私と秘密のお話がしたい・・とでも言っているかのように。
長い年月を経て苔むしたお屋敷には不似合いなふくろうではあるが、
その目は大きく見開いた深いまなざしで私を見つめている。
まるで、壮大な宇宙がそこに広がっているようかにいざないながら。
私は我を忘れてそこにたたずみ惹かれる。
闇が深くなると、それにあわせたようにふくろうの後ろから
後光ともいうべき深い海色の霧が覆いはじめた。
突然、海色の空間に黄色い光が流れ星のごとく落ちた。
と、突然「パーン」と乾いた音で私は我に返った。
なんだかよく分からないが、私はこの玄関先で夢を見ていたようだ。
なら、あの「パーン」と言う音は何だったのだろうか?
と思いながらふくろうの下を見てみると、
目にはめ込んであった黄色の電球が外れ落ちて割れていたのだ・・。
恍惚の世界は阿波踊り、歌って踊ってあらえさっさー。 [手描きはがき絵]
♪
夢は恍惚、波間のしずく
砕けて 散りて 見えゆるしずく
姿なきあなたの きらめき漂う 波動のしずく
かろやかに ただようごとく ゆれ立ちのぼり舞い上がる
霧立ち散りぬ 旅立ちの詩(うた)
♪
泡立つ 海の波間に泳ぎ踊る様を描いた私絵の場合、
「阿波踊り」か「泡踊り」か よく分からない。
帽子なのかほっかむりなのかも分からない。
ましてや、裸で踊っているのかどうかはご想像しだい。
しかしながら、石鹸は滑って転ぶので使用禁止ですのでご注意を。
「告井土暖の個人美術館」をご覧ください。きっと鼻の下と寿命が延びます。